黄金の相場予測2016
覚醒する大円高
著・若林栄四
日本実業出版社
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本書は、円高が65円まで進むと豪語する若林栄四氏の著書である。

いったい何を根拠に?とも思える「65円までの円高」ではあるが、昨今の外国為替変動の状況、ボラリティを見ていると、確固たる安心感も期待感もなく、相場のみぞ知るという展開から、125円超えの円安はなくとも75円割りの円高はあってもおかしくないと思うから不思議でならない。

本書の著者が長年、そうこの歳になっても試行錯誤しながら研究しつづけてきている大きな相場の動向、そしてトレンドを説明するのみならず、一般のトレーダーが起こしがちなミスをズバリと指摘している。身につまされる思いである。

その矛先はトレーダーのみならず、日銀総裁をはじめ各国の中央銀行の議長にまで切り込んでいる。すばらしい。たくましい。

「米国の利上げは大間違い」というのも的を射ている。説得力がある。

トレーダーへの助言も気配りが行き届いている。

「勝って当然、、負けても当然」は、なるほど納得、いい言葉だ。果たしてわたしは謙虚で、冷静でいるようにつとめられるのか?

また、相場の流れに乗るための「5つの心構え」はぜひ肝に銘じたい。とても重要な心構えが説明されている。

さすがに6月の英国EU離脱ショックを読み解くことはできていないが、2016年8月に向けての円高(というかドル安)を明確に宣言し、値頃感も当てている。ドル安後の進行・回復に向けての日頃感や、値戻しの程度も参考にはなると思う。

ユーロ解体についても本書で予言していてゾッとする。いや、どうでもいっか、もう。

さて、6年後といわず3年後にでも起きそうな「大円高」は円高起因ではなくドル安起因らしいが、その気配はすでに見え始めているような気が・・・

図書館で借りてもよし、Amazonで買ってもよし